1.車検が切れた＝罰則対象ではない

車検は、ミニカーや小型特殊自動車、250cc未満の自動二輪車を除くすべての車両に義務づけられる制度であり、車両運行は必ず車検の有効期間内であることが道路運送車両法で定められています。

ただし、この法律が適用されるのは公道上のみであるため、公道さえ走行しなければ車検が切れた状態でも罰則対象にはなりません。

無車検車とは？

車検が切れた車は「無車検車」と呼ばれ、車検証や車検標章（車検ステッカー）に記載された期限を1日でも過ぎれば無車検車に該当してしまいます。車検切れに陥ると自賠責保険も切れている場合が多いため、無車検車であることに加えて無保険車になっている可能性もあります。

無車検車を放置するだけなら
罰則対象にはならない

車検の期限が過ぎて無車検車になっても、車を敷地内に保管しておくだけであれば交通違反に問われることはありません。ただし、そのままでは公道上で車を移動させることができません。したがって、車検場に向かうために運転することさえもできなくなってしまいます。

車検満了日当日に運転するのは大丈夫？

車検の有効期限は、車検証や車検ステッカーに記載された車検満了日の23時59分までです。車検満了日に運転することはもちろん、満了日当日に車検を受けることも認められています。

しかし、有効期限の1ヵ月前以内に車検を受ければ、次回の車検有効期限日は原則として同日期限日に設定されるため、車検日を引き延ばしたところで一切のメリットはありません。不慮のトラブルで車検が受けられなくならないように、早めの車検を心がけましょう。

なお、車検の期間については、こちらの記事で解説していますので、ご参考ください。
play_arrow 「車検の期間はいつからいつまで？1ヵ月前や2ヵ月前でも受けられる？」

2.車検切れの車を運転すると起きること

車検は車の安全な運行を担保するための検査です。車検切れの車は危険なものとされ、それに応じた重い罰則が科せられます。では、実際にどのような罰則が定められているのでしょうか。

道路運送車両法違反となり罰則を受ける

無車検車による公道の走行は、道路運送車両法違反となり、違反点数6点で一発免停となる他、刑事罰として6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

車検切れ＋自賠責保険切れならさらに重い罰則になる

車検時には次回車検までの自賠責保険にも再加入するため、車検切れ時は自賠責保険も満期を迎えている場合があります。車検と自賠責保険の両方が有効期限切れの場合は、道路交通法および刑法に基づき1年6ヵ月以下の懲役または80万円以下の罰金が科せられます。

違反点数は、無車検運行6点＋無保険運行6点を加えた合計12点となるため、最低でも90日の免許停止処分は避けられません。さらに、任意保険にも加入していない状態で事故を起こせば、多額の損害賠償金を自腹で支払わなければならなくなります。

なお、車検に関する法律については、こちらの記事で解説していますので、ご参考ください。
play_arrow 「車検の法律とは？主な規則と罰則をわかりやすく解説」

3.免停までの流れも知っておこう

運転免許の点数制度では、過去3年以内の違反累積点が6点に達した時点で30日の免許停止処分が下されるため、車検切れや自賠責保険切れを起こすとそれ以前に違反がなくとも免停処分が下されます。

違反累積点が6～7点 の場合は90日間、8～9点 になる場合120日間の免許停止となり、累積点が15点以上になると免許取消処分が言い渡されます。また、過去に免停の前歴がある場合には処分基準が引き下げられるうえ、処分期間もさらに延長されます。

免許停止処分はこのようにして下される

無車検車による公道の走行は、道路運送車両法違反となり、違反点数6点で一発免停となる他、刑事罰として6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

4.車検切れが発覚するケース

車検切れを確認する方法は複数あります。事故に際した取り調べをきっかけに露呈する場合や、機器による照会や巡回によって発見される場合もあります。車検切れの事実が確認された場合はまず注意喚起のハガキが届くため、その時点ですぐに適切な方法で車検を受ければ罰則は科せられません。

車検ステッカーでわかる

車検時には、フロントガラスに車検の有効期限が記載された車検ステッカーが貼られます。これを確認すれば車外からでも車検切れであるかどうかが確認できます。しかし、車検切れが発覚するからといって車検標章を剥がすのは厳禁です。剥がすとかえって目立つうえ、車検標章の貼り付けは義務であるため、これに違反すると50万円以下の罰金が科せられます。

Nシステムでわかる

路上に設置されたカメラでナンバーを読み取るNシステムは本来自動車による犯罪捜査のためのものですが、無車検車の取締りにも用いられています。Nシステムのカメラは全国に1,500ヵ所以上設置されているため、車検切れを隠し通すことはできません。さらに近年は可搬式Nシステムも導入されているため、巡回中の警察官でも無車検車の照会が迅速にできるようになっています。

車検切れの通報窓口から通報される

国土交通省では「無車検車・無保険車通報窓口」を設置しており、電子メールで誰でも簡単に通報できます。車検切れは一般市民にも監視されていると思ったほうが良いでしょう。

5.車検が切れてしまったときの対処法

勘違いや急な出張などにより、図らずも車検切れになってしまうこともあるでしょう。ここでは、そんな時のための対処法を確認します。 なお、車検切れに陥ってしまった際の対処法は以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
play_arrow 車検切れの車に乗れるようにするには？費用、売却や廃車の方法も解説

廃車か売却して車を手放す

もう車を使用しないのであれば、思い切って手放してしまいましょう。車は所有しているだけでも自動車税など維持費がかかりますし、放置するほど劣化しますので、早めに廃車や売却の手続きをして手放すことをおすすめします。それでも車を手元に置いておきたいのであれば、地域を管轄する陸運局で一時抹消登録手続きをしておけば維持費がかからなくなります。

積載車などを利用して車検場に持っていく

車検が切れた車は公道を走行することができないため、車検を受ける場合は積載車などを利用した引取サービスを利用する必要があります。積載車や他車による牽引では車輪が接地し公道走行とみなされるため、必ず車全体を載せて搬送する積載車などを用いる必要があります。また引き取りサービスを利用する際には無車検車であること事前に伝えておきましょう。

仮ナンバーを発行して車検場に持っていく

走行できる車の場合は、お住まいの市区町村の役所で発行される赤い斜線が入った自動車臨時運行許可証（仮ナンバー）を発行してもらい、車に取り付けることで、無車検車でも自走による移動が可能となります。

ただし、仮ナンバーの貸出期間は上限が5日と定められています。仮ナンバーはあくまで車検やナンバープレートの盗難に遭った場合など非常時に用いるためのナンバープレートであり、それ以外の用途では申請することができません。

なお、仮ナンバーを取得すれば積載車や他車による牽引も可能となります。

6.まとめ

車検は年単位で管理しなければならず、公的機関から通知が送られてくるわけでもありません。確認は前回車検を受けた工場からの通知ハガキに頼らざるをえませんが、その通知も確実に送られるとは限りません、ついつい忘れてしまいがちです。

ビッグモーターでは、車検切れを防止するために、車検や定期点検、オイル交換時期が近づいた際には携帯電話のSMS（ショートメールサービス）を利用した通知を実施しています。車検を受けたその場で次回車検の予約をしておけばSMSの通知によって車検切れのリスクを最小限に抑えられるうえ、早期予約割引で車検費用も抑えられます。

ビッグモーターでは、車検切れの車やディーラー以外では断られる場合もあるハイブリッドカーの車検も受付けています。このように安価な費用で確実な車検を受けられるのは、日本最大級の事業を誇るビッグモーターの車検整備場だからできることです。どこの業者に依頼しようか迷っている方は、ビッグモーターでの車検を検討してみてはいかがでしょうか。